※この記事は永井孝尚さん著書「100円のコーラを1000円で売る方法」を参考にしております。
この記事では、「高単価のサービスやモノを販売する考え方」を解説しています。
それを知る上で、まず知っておかなければならないのが、顧客満足度の本当の概念です。
顧客満足度とは?
顧客満足度と聞いて、すぐに説明できる人はそんなに多くはないと思います。

あなたは自社ブランド作り上げて起業することになり、自社のwebアプリを開発することになりました。
そこで、アプリの開発会社2社に問い合わせしたところ、ヒアリングにすぐに来てくれて、後日提案をそれぞれしてもらうことになりました。
A社はあなたの細かい要望を全て叶えてくれました。
そしてB社は要望を叶えてくれたのは半分くらいでした。
もう半分は、「○○さんのご要望はすごくわかります。ただ、もしその意図があるのであれば、ここの機能はこっちにした方がいいです。
あと、ご要望いただいたデザインの部分ではこちらにした方が、使っている方からしたらイメージがよりしやすいです。」
といったようにより良くなるであろう提案をしてくれました。

おそらくB社という方がほとんどだと思います。
ここで顧客満足度の話に戻りますが、お客様の期待を超えた分が顧客満足度となります。
式にすると、【顧客満足度=顧客が感じた価値−事前期待値】となります。
つまり、A社はお客様の要望に全て応えていますが、それ以上のものを提供できていないので、顧客満足度は差し引き0になります。

この状況は、お客様の要望を聞きすぎるがあまり、よく起こってしまうことなのです。
目の前のお客様が言っていることだけを鵜呑みにして、本当にお客様が必要としていることに対応できておらず、長期的に見るとお客さんが離れていってしまう状態のことをカスタマーマイオピアって言います。
カスタマーはお客様で、マイオピアは近視眼と言う意味です。
【答え】100円のコーラを1000円で売る方法
いきなり答えに入ると、100円のコーラを1000円で売っているのは、リッツカールトンです。
中身はいたって普通のコーラなので、値段だけで言えば50円ほどで購入できると思います。
部屋でルームサービスに「コーラが欲しい」と連絡すると、「15分お待ちください」と言わます。
その後、最適な温度に冷やされ、ライムと氷がついた、この上なく美味しい状態でシルバーのお盆に載ったコーラがグラスで運ばれてきます。

それだけで終わってしまうともったいないです。
ここでのポイントは、リッツカールトンではコーラという液体ではなく、サービスという目に見えない価値を売っているってことです。
ディスカウントストアで売っているのは、コーラという液体で、同じような商品はどこにでも売っています。
ディスカウントストアのように、商品をそのまま価値をつけずに売ることを、プロダクトセリングって言われています。
規模が大きければ大きいほど大量に仕入れて原価を安くできます。

それは、「最高に心地いい空間」です。
だから顧客は値引きを要求しません。
値引きの代わりに、心地よい環境で最高に美味しいコーラを飲める体験を提供したら、1,000円でもコーラは売れるのです。
これをバリューセリングって言います。
値引きはしない方がマーケティング的には正解
マーケットのトップであるマーケットリーダー以外の会社は、値引きで勝負したら負けると言うのが、マーケティングの基本です。
安く売ることができるのは、超大手企業でマーケットリーダー(市場のトップ)と言われるところであれば、値引きができます。
大量に仕入れて、大幅値引きができるからです。
それ以外の会社が値引きをするタイミングは、常連客に対する値引きや、顧客がまだついていない時、初回限定値引きで購入のハードルを下げる時とかはありです。